附属地震火山観測所 Earthquake and Volcano Observatory

地震発生のメカニズムを解き明かす

教授  佐藤魂夫 (所長,併任)
助教授 小菅正裕

 弘前大学理工学部附属地震火山観測所は、

(1) 地球環境学科(旧地球科学科)における地震学の教育と実習
(2) 東北地方北部における地震予知・噴火予知のための観測と研究

を目的として、1981年に設置されました。本観測所の観測網はキャンパス内の観測所と青森県内9カ所の観測点からなっています。この観測網のデータに加えて、東北大学・北海道大学や気象庁の観測点のデータが通信衛星を使って観測所までリアルタイムに伝送され、東北地方北部と北海道南部における地震・噴火予知研究の基礎資料として役立てられています。これらのデータを利用して、青森県西方沖を震源とする1983年日本海中部地震(マグニチュード7.7)や、青森県東方沖の1994年三陸はるか沖地震(マグニチュード7.5)の発生過程が詳しく研究されました。その他に、地震の発生メカニズム、火山や地殻・マントルの構造及びそれと地震発生との関係、地球内部での地震波の伝播や散乱に関する研究、GPS を用いた地殻変動の研究などが行われています。

 本観測所の教官の担当授業科目としては、地震学・地球物理学実験・地震学実習・地震学演習・地球科学研究があります。学生はこれらの授業において生のデータに接することができます。卒業研究や修士論文の作成にあたっては、フィールドに出て自らの手でデータを得る機会も与えられています。また、他大学等との合同観測にも学生が積極的に参加しており、大学の枠を越えた教育・研究が行われていることも大きな特色の一つといえましょう。図 (59k)は平成9年度の修士論文としてまとめられた研究成果の一例です。この図 (59k)では地殻中部の深さ(7.5〜12.5km)でのP波とS波の伝播速度の比(VP/VS 比)の分布がカラーで、その深さでの震源分布が○で示されています。これを見ると、地震は VP/VS 比が1.7〜1.8程度の範囲のところで発生していることがわかります。このことは、地球内部の物性が地震の発生に深く関わっていることを示すものと考えられます。このような研究結果は学科内の発表にとどまらず、関連学会や学術雑誌等においても公表されています。これは学科内の学生にとっても大きな励みとなっています。

(理工学部案内の内容に一部加筆しました)

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