岩木山周辺では 1972 年の後半から活発な群発地震活動が起こりました.震源に近い北東山麓では時折ドーンという音が聞こえ,人々に不安を抱かせました.これは,地震動が空気の振動に変換する現象で,震源が浅い場合に発生することがあります.また,震源が岩木山に近いために,岩木山の噴火につながる活動なのかどうかも大きな問題となりました.
 弘前大学での地震観測はこの群発地震をきっかけとして始められ,岩木山の研究を行う学科や施設を地元の大学に作ってほしいという要望が高まったことが,理学部地球科学科(現・理工学部地球環境学科)の創設と附属地震火山観測所の設置へとつながりました.
 
 
岩木山麓の群発地震活動
図は岩木山周辺で発生した地震の月別地震回数を示しています.群発地震活動が活発だった 1973 年前半には,月に 1500 個以上(1日平均 50 個以上)もの地震が発生しました.地震活動は 1974 年の後半からは次第に低調になったものの,最近でも1年に数十個の地震が発生しています.しかしそのほとんどはマグニチュードが3以下の微小地震のため,体に感じる地震は1年に1回あるかないかといった程度です.下段の図をよく見ますと,6~7年の周期で数が増えるようにも見えます.これが意味のある現象かどうかについては,今後の検討が必要です.
 
岩木山周辺で発生した地震の月別回数.上段は1973年1月~2006年3月,下段は1983年1月~2006年3月の期間の発生数を示します.下段は縦軸を拡大して示してあります.