弘前大学理工学部月刊ホ−ムペ−ジ2005年7月号企画

2004年新潟県中越地震 (担当:理工学部附属地震火山観測所)

 10月23日17時56分頃に新潟県中越地方の深さ約10 kmにおいてマグニチュード(M)6.8の地震が発生し,引き続いて同日18時12分頃にM6.0,18時34分頃にM6.5の地震が発生しました. これらの地震は震源が浅く,最大加速度が1,000ガルを超えるなどの特徴をもっており,震源の直上にあたる魚沼丘陵では地すべりや山崩れなどの土砂災害が各所で発生しました. 総務省消防庁によると,この地震による被害は死者46名,負傷者4,801名,住家全壊2,827棟に達しています(2005年3月18日現在).


 新潟県中越地震では震度5以上となる余震が数多く発生するなど,余震活動は非常に活発でした.余震の震央は,北北東南南西方向に長さ約30 kmにわたって分布しています(図1).余震は本震を発生させた断層の周辺で発生しますので,余震の震源分布を精密に決めると,本震の断層の位置・大きさ・傾斜などの情報を得ることができます.また,断層の位置・形状と地下構造との関係を明らかにすることも重要です.

図1 新潟県中越地震の余震の震央分布(丸印.気象庁による)と
臨時余震観測点(三角印)の分布.赤い三角印は弘前大学の観測点.

 しかしこれらのことを解明するのに,常設観測点のデータだけでは不十分でした.そこで全国の関係機関が協力して,余震の発生域とその周辺に約100点の臨時地震観測点を設置して余震観測を行いました.観測点の分布は図1に三角印で示されています.弘前大学では赤い三角印の場所に観測点を設置しました.図2は観測点の設置風景です.

図2 新潟県中越地震の余震観測点設置作業.

 各機関におけるこれまでの解析により,余震の精密な空間分布,余震発生の時間変化,震源周辺の地下構造などが求められました.余震分布は,本震・最大余震・10月27日の大規模な余震が,それぞれ別の震源断層で発生したことを示しています.これらの3つの断層において余震が発生したことが,余震活動が活発だった原因と考えられます.余震活動は時間の経過とともに,余震発生域の北部と南部で活発になりました.

 弘前大学の観測点は余震域の北東端に位置しますので,今後はそのデータの解析を進め,余震活動後半における地下浅部での地震活動の様子を解明する予定です.また,どのような地震断層の動きによって余震が発生したのかを,地震波形データから詳しく解析します.


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